Gunosy Blockchain Blog

Gunosyの開発メンバーが知見を共有するブログです。

Bitcoinの Lightning Network で支払いしてみた!

はじめに

こんにちは! 新規事業開発室の山口(@yamarkz)です。

タイトルの通り、BitcoinのLightning Networkで実際に支払いをしてみました!

本記事では、実際の支払いとして利用したBitcoinのLightning Networkについて紹介していきます!

Lightning Networkとは

Bitcoinの技術を調べたことがある方であれば、Lightning Network (ライトニングネットワーク) を一度は聞いたことがあるのではないかと思います。

Lightning Networkとは、Bitcoinのトランザクションのやり取りをオフチェーンで処理する技術であるペイメントチャネルを応用した決済ネットワークです。このネットワークは、送受信者に直接的なペイメントチャネルの繋がりがなくとも、互いにLingning Networkのノードに接続さえすれば、トラストレスな送金を実現することができます。この送金網の実現により、Bitcoinのマイクロペイメント(少額決済)をカジュアルに行うことができるようになります。また、トランザクションをオフチェーンで処理し、トランザクションの最終結果のみをオンチェーンに記録する仕組みになるため、不要な少額トランザクションの発生を抑えられることが期待されており、結果としてスケーリング問題 (Bitcoinのトランザクション処理が追いつかなくなる問題) 参考 が解決するのではないかと注目されています。このネットワークの実利用に向けて、現在世界中のトップ技術者が開発を進めています。

より、詳細な仕組みの解説については、既出で良質な資料が上がっているので下記を参考にして見てください。

Lightning Network

Lightning Network White Paper / Joseph Poon, Thaddeus Dryja

White Paper

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Payment Channel Introduction / @mosa_siru

www.slideshare.net

ビットコインにおけるライトニングネットワークの仕組みを分かりやすく解説 / @Osuke

zoom-blc.com

SegWit,Lightning, MAST ビットコインの最重要技術を改めて考える with ハウインターナショナル安土さん

www.youtube.com

Lightning Network(ライトニングネットワーク)を実際に体験してみよう with 大石さん

www.youtube.com

Lightning Networkでの支払いまでの流れ

Lightning Networkは現在、試験開発段階の技術ですが、2018年1月にBlockstreamがメインネットでの送金利用が可能なLightning Networkノード(Blockstream開発のc-lightning)をリリースしました。(下記記事参考)

btcnews.jp

このメインネットで利用可能なノードのリリースに伴い、ノード(c-lightning)を開発するBlockstreamは、Lightning Networkを用いた支払いのみで商品を購入することが可能なECサイトをオープンしました。Blockstream Store

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「Lightning Network で支払いしてみた!」というタイトルはこのストアで実際のBitcoinを支払い商品を購入したということです。

購入した商品はBlockstreamのステッカーです。本当はBlockstreamのパーカー or Tシャツ が欲しかったのですが、全サイズ売り切れでした。。。泣

実際にノードを建ててストアで支払いを行い商品を購入するまでの手順をチュートリアルとしてBlockstreamがBlogで紹介してくれています。 この記事の内容を元に支払いまで行いました。動画付きで親切に解説してくれています。

blockstream.com

Lightning Networkで実際に支払いをしてみて

購入したBlockstreamのステッカー

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送金は一瞬で完了しました! 支払いに必要な情報をストアに登録すると、Lightning 支払いで用いるinvoiceのハッシュ値を受け取ることができます。 そのハッシュ値をコマンドラインで実行すると送金が完了します。

コマンドライン上で支払いを行う

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ライトニングでの送金自体は一瞬で完了しますが、Funding Transactionの承認時間を含めると、一瞬で送金できる超便利な技術とは言えないかなぁと思いました。 Bitcoinの強みとして「送金が早い」というのがありますが、これは国際送金と比較すると早いというだけで、普段の利用で考えると承認時間はかかります。 とはいえ、Lightning Networkが利用でいる世界になれば、1円以下での支払いができる様になり、動画の秒数課金、漫画のページ課金などが実現できる世界になるのは可能性を感じます。 マイクロペイメントが実現できる世界になった場合、Lightningのプロバイダー事業が生まれ、ゲームや動画サービスへのマイクロペイメント機能導入をサポートする事業が生まれてくるのではないかなぁと勝手に想像しています笑

Lightning Networkのノードは複数の開発チームが各々に開発を進めている

Lightning Networkを構築するネットワークノードはいくつか存在しており、様々な言語(C / Golang / Scala etc..)で開発が進められています。(以下参考)

ノードの開発言語は違えど、Lightning Networkのノードは共有の技術仕様が定めらているため、同一のネットワークを構築することが可能です。この共通の技術仕様はBOLT (Basis of Lightning Technology)として定められており、技術仕様はGithub上にまとめられています。興味のある方は一度読んでみてください!

c-lightningのメインネット版リリースに続いて、Lightning Labsが開発するLND、ACINQのeclairもメインネット版がリリースされています。こちらも注目していきたいですね

ライトニング・ラボ、 ライトニング・ネットワーク実装「Lnd」をメインネットでローンチ

btcnews.jp

3/29にはeclairのメインネットノードもリリース

Lightning Networkのネットワーク状況を確認する

実際にネットワークで繋がっているノードをGUI上で確認することができます。ノード間の繋がりをグラフ化して見るとネットワーク感があります (参考)

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Lightning Networkの支払いをアプリで体験してみる

Lightning Networkのテストネットで支払い体験ができるアプリもあります。

play.google.com

デモストアはこちらです。↓ Blockaccino

Starblocks | Spend bitcoin with LN on TESTNET

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まだ試せていないですが、メインネットで利用可能なeclairのLightning WalletがAndroidアプリでリリースされています。

play.google.com

まとめ

  • Lightning Networkはペイメントチャネルの技術を応用した送金ネットワーク
  • Blockstreamのストアで実際にBitcoinとLightning Networkを用いて支払いすることが可能
  • invoiceに対する送金は一瞬で完了するが、Funding Transactionの承認もあるので全体的には時間がかかる
  • マイクロペイメントをカジュアルに実現できる世界がくれば、動画の秒数課金、漫画のページ課金など支払いの幅が広がりそう
  • Lightning ノードの開発はいくつか進んでいて、メインネット版もリリースが続いている
  • Lightningで送金ができるAndroidアプリもある

最後に

今回は久しぶりにBitcoinの技術を紹介しました。。。!

自分は2017年の秋頃にLightning Networkの存在を知り、実際に利用されるのはだいぶ先なんだろうなぁと思っていました。それが今ではメインネットでの支払いに利用できる状況になっており、技術の進歩が恐ろしいほど早いなと感じています。もしかしたら2年後には当たり前の様にLightningで支払いしている状況になっているかもしれません。楽しみですね! 今後も実際に最新の技術を触ってみて、紹介していきたいと思います!

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