Gunosy Blockchain Blog

Gunosyの開発メンバーが知見を共有するブログです。

blockchain.tokyo#4が開催されました!

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こんばんは、新規事業開発室の生田です。

1月16日に、blockchain.tokyo#4がメルカリさんのイベントスペースで開催され、新規事業開発室のメンバーで参加してきました!今回はその発表内容を紹介させていただきます。

Bitcoin Improvement Flow @yamarkz

最初の登壇者はGunosy新規事業開発室メンバーである山口の発表です。

ビットコインは当初の仕組みからSegwitなどの改善が多数行われてきています。通常のwebサービスでは、中央のサーバーで全て情報を持っていますが、ビットコインはそれぞれのマイナーがブロックの情報を持っているため、アップデートを行った際に、マイナー同士で情報に差異が生まれトラブルになる可能性があります。その差異を無くし、トラブルが起きないようにするために、ビットコインの中に改善フローの仕組みが組み込まれているということでした。

より詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。 blockchain.gunosy.io

Hash for BlockChain @keita0q

2人目はメルカリR4Dの中村さんです。

コインのハッシュアルゴリズムについてお話していただきました。ビットコインのマイニングはPoW(プルーフオブワーク)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを用いており、特定の値(Target)を下回るハッシュ値を見つけることができたらマイニング成功となり、報酬を受け取ることが出来ます。ハッシュ値はSHA-256というハッシュアルゴリズムを用いて計算されており、メモリをほぼ使用せず実装が容易といった特徴を持っています。SHA-256のハッシュアルゴリズムはブロックハッシュの生成以外にも、ビットコインアドレスの生成などにも利用されています。

ビットコインに次ぐ時価総額のイーサリアムではPoWをベースとしつつも、DAGと呼ばれるメモリを必要とする手法を加えることによって、ASIC耐性を持ちました。その他にもScryptやCrypto Nightなど、オルトコインなどで利用されているアルゴリズムも多数紹介して頂きました。

特にスライドの終盤にあった「ブロックチェーンの特性はコンセンサスアルゴリズムとハッシュアルゴリズムである」という言葉が腑に落ちました。

ASICについて @mistakah

3人目は同じくメルカリの高橋さんです。

高橋さんには、PoWにおけるハッシュ計算を高速化するためのASICという集積回路の技術と現状についてお話して頂きました。より性能の良いASICはマイニングの収益性に直結します。マイニング専用のASICが半導体業界を牽引するようになってきているという話は衝撃でした。

実用的なDappsは出るのか @sodefrin

LT1人目はdely株式会社の田添さんに、Dappsの開発方法や開発してみての課題についてお話して頂きました。Dappsはイーサリアムのスマートコントラクトを用いての開発が主流です。ICOの際に配布されるトークンもスマートコントラクトを用いて開発されていたりしますが、今回はアクセストークンとして認証に利用してみようということでした。実際にアプリケーションを作ってみた方のお話を聞けることはあまりなく、開発しているからこそ発表内容に説得力がありました。

Decentralized Logistics @shao1555

LT2人目はスタートアップの立ち上げなどを経て、現在はフリーランスのエンジニアとして活躍されている澤田さんより、Dappsについてのお話でした。

この発表ではiPadを用いてプレゼンをしていただき、Apple Pencilを使ってスライドに書き込みながら話を進めるというプレゼンスタイルにまず驚きました。スライドに書き込みながらの説明は、スライド、トークと手の動きがリンクして、内容がすっと頭に入ってきました。

物流管理の分散化により、お互いのことをよく知らなくても複数社で協力できたり、トラッキングも可能になるという話です。不正を防ぐための保険金や、与信のようなトークンの話も興味深く、実現すれば非常に大きな市場になると感じました。

匿名性が気になってZerocashの White Paperを追ってみた @MasashiSalvador

最後のLTは、弊社Gunosyで新しい取り組みである「ライブ動画」の開発を担当しているMasashi Salvadorさんです。

ZeroCashという仮想通貨の匿名化の仕組みに関する紹介でした。 ビットコインやイーサリアムでは「誰に」「いくら送金されたのか」を誰でも確認することが出来ます。これらの通貨は送金情報がパブリックになっていることで、プライバシー問題があるとされています。このプライバシー問題を解決する通貨として、ZeroCashが開発されました。ZeroCashではトランザクションを匿名化することでプライバシー問題を解決しています。

トランザクションの匿名化は、文字通り「送金額」や「送金の宛先」を全く見えなくする技術であり、ZeroCashにおける実現方法をSalvaさんにトークしていただきました。この匿名化技術はイーサリアムでも導入が進められており、ZeroCashで用いられた匿名化技術を流用する形で開発が進んでいます。この匿名化技術は今後注目が高まるのは間違いありません。これからの進展に期待していきたいなと思いました。

まとめ

これまでのblockchain.tokyoも内容が濃かったですが、今回も同様に非常に実のある会でした。これまで全ての回に参加していますが、最も様々なテーマが取り扱われていたのではないかと思います。また触れられている内容は日本語の情報も少なく知らないことばかりで、普通にブロックチェーンを勉強していたのでは学べない貴重なお話を聞くことができました。発表終了後の懇親会でも、他の参加者の皆様とお互いに取り組んでいることなど様々なお話をすることが出来ました。今回のトークで気になったポイントをさらに深堀りして自らの知見をどんどん広げていきたいと思う勉強会でした。

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